1987年に創刊され、2022年に35周年を迎えた「かいけつゾロリ」の冒険を振り返る展覧会が、市立文化芸術センターで始まりました！
貴重な手書き原稿をはじめ、「お宝」（立体作品）やフォトスポットなど約200点もの作品が展示されており、ゾロリファンの子どもはもちろん、かつて一緒に冒険した大人も楽しめる展覧会になっています。

まず目を引くのは、入り口前に設置された「黄金のライオン」の消毒液！
原作のような厳しいガードマンはいないので、手指を消毒したら安心して入場できます🦁

会場では、既刊74巻（2024年4月現在）のうち55巻の手書き原稿が展示されており、鮮やかなカラー原稿や生き生きとした筆致の下絵など、物語ができるまでの様子をさまざまな角度から楽しめます。

また、立体作品として“いやしんぼなめ”が印象的な「ブルルチョコ」や、ゾロリの幼少期を写した「ママとのおもいでアルバム」など、作中の印象深いアイテムが多数再現されていました🍫

「かいけつゾロリ　つかまる‼」の表紙を再現できる牢屋のフォトスポットは子どもたちに大人気！
大きいので家族全員で捕まることもできそうです👮

🎤インタビュー
一般公開に先駆けて行われた内覧会で、原ゆたか先生にお話を伺うことができました！貴重なお話の一部をここでご紹介します。

宝塚市との接点について
――かつて手塚治虫さんにリボンの騎士のサインを描いてもらったことがあります。当時は『鉄腕アトムの方がほしかったな…』と思っていましたが、今回の展覧会で宝塚市に来て、宝塚ホテルに泊まって、あの時描いてもらったのがリボンの騎士でよかったんだと、全部つながった気がします。会場（市立文化芸術センター）が手塚治虫記念館の横だというのも、手塚さんがここに呼んでくれたんだなぁと嬉しい思いがありました。
手塚さんにサインをもらったなんて、他の場所で話せばただの自慢になってしまうので、こうやって宝塚市でお話できたことも嬉しいです。
また、手塚治虫さんをはじめ、石ノ森章太郎さんや赤塚不二夫さんなど、あの頃の漫画家さんは作品の中に作者が出てきます。（かいけつゾロリにも）原ゆたかがたびたび登場しており、手塚さんの作品は原作者とキャラクターが作中で喋るという描写の原点でもあります。

かいけつゾロリの”バトル”
――子どもたちは戦いが好きなので、人気のアニメなどは戦ってるシーンが多いですよね。武器のおもちゃは人気が高いから、アニメ化にあたってゾロリに武器を持たせてくれというオファーもありました。でも、リアルな戦争が起こっている状況で、作品の中でまで戦っているのが嫌だったということもあり、ゾロリたちは親父ギャグで相手を凍らせて、おならで戦意を喪失させるという形になったんです。大人から見ると下品かもしれないけど、武器よりも平和でしょ、と（笑）

作品作りの原動力
――「すると」「けれど」「ところが」と話を繋いでいって、本を読むのが苦手な子が、知らない間に一冊読めちゃったと思えるような本にしたい。本を読むことのワクワクを経験してもらって、まずは「本を読むのって面白いな」と思ってもらえるようになるのがゾロリの役割です。
私はパノラマで人がいっぱい居るところも好きだったし、怪獣の断面図に細かく色んな説明がしてあるのも好きだった。迷路があれば楽しかったし、なぞなぞがあれば嬉しかった。そういった自分が子どもの頃に楽しかったことを全部入れてやれと思ってゾロリを書き始めたから、せいぜい10冊が限界だろうなと思っていたのに、こんなことになっちゃった(笑)
※原ゆたか先生は、2022年にギネス世界記録™「同一作者によって物語とイラストが執筆された単一児童書シリーズの最多巻数」に認定されました📚🏆

お茶目で楽しいインタビューの言葉どおり、展示されている原稿には読むのが楽しくなる仕掛けやワクワクする要素がたくさん散りばめられています。
魅力あふれるゾロリたちの大冒険を、ぜひ観に来てくださいね🦊🐗🐗

35周年記念　かいけつゾロリ大冒険展
会期：4月6日（土）～5月19日（日）※毎週水曜休館
時間：10時～18時（最終入場は17時30分）
料金：高校生以上1,000円、中学生以下無料
※障がい者手帳提示でご本人様、付き添いの方1名まで無料