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阪神・淡路大震災の犠牲者へ追悼の意を。宝塚市で10年ぶりの慰霊式

兵庫県南部と淡路島を中心に6434人が亡くなった阪神・淡路大震災。
宝塚市でも119人の尊い命が奪われました。

1995年の発生から30年となった1月17日、犠牲者への祈りをささげる慰霊式が10年ぶりに開催されました。

慰霊式には、宝塚市在住の遺族25人を含む150人が参加。黙祷や追悼演奏、追悼の辞をささげたほか、白菊を手向けて犠牲者の冥福を祈りました。

会場となったソリオホールの様子
黙祷をささげる参列者
兵庫芸術センター管弦楽団による追悼演奏
追悼の辞をささげる山﨑晴恵宝塚市長

また、1997年に犠牲者追悼慰霊碑の碑文下に埋められたタイムカプセルを開封。作文を封入した田中千恵さんは、

地震が起きた後、教師をしていた両親は、教え子の安否を確認して回っていた。一人で不安だった気持ちを作文に書いたように記憶している。今は震災を経験していない子どもが増えている。私も震災のことを伝えていきたい。

と、封入者を代表して当時を振り返り、その思いを語ってくれました。

タイムカプセルを開封する宝塚ライオンズクラブの桑原会長(写真左)と
小南さん(写真右)、封入者代表の田中さん(写真中央)
封入物を説明する桑原会長(写真左)
当時のことを振り返る田中さん
慰霊碑に献花するご遺族
献花された白菊

この日、ゆずり葉緑地とソリオメインプラザでも慰霊献花式が行われ、ゆずり葉緑地には194人が、ソリオメインプラザには75人が、それぞれ参列しました。

ゆずり葉緑地の犠牲者追悼慰霊碑「鎮魂之碑」と碑文
「鎮魂之碑」に祈りをささげる参列者
市民などの寄付により設置した「追悼の碑」
ソリオメインプラザに設置された献花台
ソリオメインプラザで祈りをささげる参列者

ゆずり葉緑地の「鎮魂之碑」に祈りをささげた金子さん夫婦は、

震災で母親を亡くした。
当時82歳だった母親は、出勤する私を見送るため、毎朝5時45分に起きてくれていた。30年前の1月17日もそうだった。目が覚めてすぐに地震が発生し、転倒して机に頭をぶつけてしまった。寒い朝だったので、起きずに布団の中にいてくれていれば。
母親を車で近隣の病院まで連れて行ったが、発電機が動かず処置してもらえなかった。悔やまれることも多いが、それよりもご近所さんへの感謝の気持ちが大きい。転倒して身動きが取れなくなった母親を車まで運んでくれた。
毎年1月17日になると、ここ(=ゆずり葉緑地)に来ている。娘と息子含め家族全員で当時のことを振り返り、周囲への感謝の気持ちを忘れないようにしている。

と、涙ながらに当時のことを話してくれました。

また、ソリオメインプラザでは、市民団体による震災犠牲者追悼の取り組み「「生」の祈り」のパネル展示も行われたほか、ゆずり葉緑地では、寒い中参列された人たちに、社会福祉法人聖隷福祉事業団から豚汁と焼き芋がふるまわれていました。

「生」の祈りのパネル展示を眺める参列者
豚汁のふるまう聖隷福祉事業団の皆さん
豚汁を食べる参列者

宝塚市では、震災の教訓を未来につなごうと、講演会を開催します。
ぜひご参加ください。


阪神・淡路大震災から30年~震災の教訓をともに未来に繋ぐ~

日時:2025年1月26日(日)13時半から16時まで【要申込】
場所:ソリオホール
内容:防災士でシンガーソングライターの石田裕之さんによる講演会ほか


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