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広報の役割とは?幹部職員が受けた広報マインド向上研修

今年(2024年)1月、市は参画と協働に基づく市政運営をしていくため、「宝塚市広報基本戦略」を策定しました。

少子高齢化で人口減少が進む中、市が限られた人員と予算で山積する行政課題に対応していくには、まず職員同士が目指すまちの姿を共有した上で、市民の信頼や共感を得て、参画と協働に基づく市政運営を実現していく必要があります。

少し難しいですよね。
要は、市だけでなく、市民や社会が手を取り合って、市政を運営していく必要があるよということです。
そしてその実現のため、広報の役割について書いたものが広報基本戦略です。

基本戦略に書かれている「広報の役割」などを学び、市全体で広報していくため、3月4日、庁内の幹部職員を対象とした広報マインド向上研修を行いました。

職員が学んだ「広報の役割」とは。

広報課2年目のイノウエが研修の内容をお伝えします。


この日の研修は、元・兵庫県広報官の湯川カナ氏を招き、講義とワークショップの2部制で行われました。


湯川 カナ氏
Yahoo! JAPAN創設メンバー。スペインでのフリーライターを経て、現在は神戸を拠点に広報プロダクション「なりわいカンパニー株式会社」、産学官民連携事業支援「一般社団法人リベルタ学舎」を経営。元・兵庫県広報官(後アドバイザー)。「協働」をテーマとしたリーダーシップ、チームビルディング、マネジメント、広報などの講演やセミナーを多数実施。


第1部 行政における広報活用


「広報の役割」とは何か。この説明をするにあたり、マグロの話から始まりました。

マグロは海中で泳ぐ速度が時速約80キロに達するそうです。ただ、骨の構造や筋肉からはこんなにもスピードは出ません。マグロは海中で、尾びれを使って周囲の水流を変化させ「推進力」にすることで、マグロ単体では出せないスピードを出しています。

このマグロと水流の関係性は、広報と似ています。

マグロ本体を市の事業(施策)としたときに、市民や社会といった周りの賛同を得て、市の事業(施策)の目的を、より早く、より確実に、達成するサポートをすること。これこそが、広報の役割だと湯川氏は言います。

広報の英語「Public Relations」をそのまま訳すと「公共・関係」。英語の訳からも「社会との関係性を構築すること」とわかります。

単に、「伝える」だけでは不十分です。インターネットが普及し、世の中に情報が溢れている今、「伝える」前に情報を受け取ってもらうための信頼関係を築いていくことが大切であると学びました。

第2部 これからの広報活用の基本

後半は、4~5人1組のグループに分かれてワークショップを行いました。

グループ内で市民役を1人選び、そのほかは市職員役となります。
市職員役は市民役の人から、「自身が生活する上で困っていること・悩んでいること」をヒアリングし、みんなで、その相談内容の本質的な原因は何か、現状把握をしながら整理していきます。

整理ができたら、市職員役1人が別のグループに移動し、市民からの相談内容を情報共有し、行政としてその悩みをどう解決できるかを考えていくという内容です。

グループ内で意見を付箋に書いて共有します

1つの部署だけで解決できないような問題が生じた場合、その問題の要点を整理し、他の部署に行って説明をする。

このワークショップは、実際によく起きるケースを想定した研修なんです。
第1部で広報は「目的を達成するためのサポート」であると学びました。
職員同士の関係性構築も、広報の重要な要素の1つです。

ワークショップの最後は、情報共有を受けた別グループの市職員役が行政としてできることを市民役の人に報告します。
市民役の人に納得してもらえるか、報告を見守る研修参加者にも緊張感が漂いましたが、市民役の人から感謝の言葉が発せられると、安堵からか拍手が沸き起こりました。

市民に、行政としてできることを伝える(左:市民役 右:職員役)

この研修で私たちは、「市民にきく」「職員がつながる」「市民に伝わる」この循環こそが、広報の基本なのだと学びました。
今回は幹部職員が対象でしたが、市は引き続き、研修などを実施し、全職員の広報マインドの向上に取り組み、組織横断的な市政運営に取り組んでいきます。


広報基本戦略の3つの柱

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